年賀状の構成

年賀状の書き方

■年賀状の書き方の基本

 年賀状には、記入する内容に決まったパターンがあります。

1.新年を祝う言葉
2.昨年お世話になったお礼
3.近況など
4.新年の、先方の健康や発展、繁盛、繁栄などを祈る言葉
5.新年の、お付き合いや支援をお願いする言葉など
6. 日付
7.差出人名

 

ここでは書き方の順と、その内容について詳しくご紹介してみます。

1.新年を祝う言葉

 年賀状には、「拝啓」で書き出し、「敬具」で結ぶといった体裁や、時候の挨拶(初春の候〜など)は不要です。まずは新年を祝う言葉(賀詞=がし)を書きます。

  • 新年を祝う賀詞、祝詞の例

・謹賀新年
・迎春
・賀正
・頌春
・謹んで新年のお慶びを申し上げます
・明けましておめでとうございます

「賀正」「迎春」など、「謹んで」という文字が入らない賀詞は、目上の人には使わないようにしましょう。またビジネス年賀状では、目上の人にも失礼がなく、相手を選ばない表現(謹賀新年・恭賀新年・謹んで新年のお慶びを申し上げます など)が無難です。

 

  上司など相手が目上の人の場合の賀詞

   謹賀新年 (謹んで新年を祝うこと)

   恭賀新年 (うやうやしく新年を祝うこと)

   謹んで新年のご祝詞を申し上げます

   謹んで新春のお慶びを申し上げます

 

  目上の人ではない場合の賀詞

   賀正 (正月を祝うこと)

   迎春 (新春・新年を迎えること)

   頌春 (新春をほめたたえること)

 

2.昨年お世話になったお礼

昨年お世話になったお礼を書きます。毎年年賀状だけのやり取りになっている知人・友人には、近況を訊ねる一文も添えると気持ちも伝わります。

  • 昨年お世話になったことへの御礼の言葉の例

・旧年中は大変お世話になり、ありがとうございました。
・旧年中は一方ならぬお世話になり、厚く御礼申し上げます。
・昨年はいろいろとお世話になり、ありがとうございました 。
・昨年は格別の御厚情を賜り、厚く御礼を申し上げます。

 

3.近況など

年に一度の年賀状のやり取りだけという方への年賀状は、定型文だけでは寂しいですね。あなたや貴方のご家族の近況を、ぜひお知らせしましょう。久しぶりの便りは受け取った方にとってもうれしいものです。 ただし、ビジネス年賀状では近況報告の省略が可能です。

  • 近況報告の例

・昨年赴任した神戸はとても風情のある町です、子どもたちも海の見える町が大変気に入っているようです。
・昨年からランニングを始めました。いつか東京マラソンにも挑戦したいです。
・結婚して初めてのお正月です。お互いの親戚に囲まれ楽しい正月を迎えています。
・昨年、待望の女の子が我が家に誕生しました。長男もすっかりお兄ちゃんらしくなって成長を感じます。

 

4.新年の先方の健康や発展、繁盛などを祈る言葉 

新しい年の、相手とそのご家族の健康や発展、ビジネス年賀状の場合は、取引先の会社の発展や繁盛などを祈る言葉を入れます。

  • 新しい年の先方の幸せを願う言葉の例

・ご家族の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
・皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
・貴社の益々のご発展を祈念いたします。
・新しい年が皆様にとってよき年でありますようお祈り申し上げます。

 

5.新年のお付き合いや支援をお願いする言葉

本文の最後に、新しい年にのお付き合いをお願いする言葉や、支援をお願いする言葉を入れます。

  • 新しい年のおつき合いをお願いする言葉の例

・本年も変わらぬ ご交誼のほどお願い申し上げます。
・今年もご支援ご指導の程、宜しくお願い申し上げます。
・本年もご指導の程宜しくお願い申し上げます。

 

6.日付

元旦、平成●●年一月一日、●●年元旦、など、元旦(1月1日)を表す日付を入れます。

 

一般的には「元日」や「元旦」を使います。元日は「一年の始めの日」という意味。元旦の「旦」の字は水平線から太陽がのぼっている様子を表しており、「一月一日の朝」のことです。

 

 

年号は西暦でも元号でも構いませんが、賀詞に「令和〇〇年の初春をお慶び申し上げます」など年号が入っている場合は、重複になるので書かないようにしましょう。イラストに「元旦」が入っている場合も重複になるので年号だけにします。

 

一月一日を過ぎてから書いた年賀状など、元旦に届かないことが明らかな場合は「元旦」とは書かず、「一月」「正月」などの言葉を使います。

 

7.差出人名

年賀状の最後に、差出人の住所・氏名を入れます。郵便番号、マンション名、部屋番号なども忘れずに入れましょう。最近は電話番号のほかに、メールアドレスやホームページアドレス、携帯番号などを入れる人も増えています。

他にも色々 年賀状マナー

賀詞は重複して使わない

ありがちなのが、イラストやデザインに「頌春」や「Happy New Year」といった賀詞が記されているのに、本文に「あけましておめでとうございます」と書いてしまうこと。

 

また、以下のような賀詞自体の誤りもあります。

 

×「新年あけましておめでとうございます」

よく見かける表現ですが、「新年」と「あけまして」の意味が重複しているので、「新年おめでとうございます」もしくは「あけましておめでとうございます」を使います。

 

×「令和○○年 一月元旦」

元旦は一月一日の朝という意味があるため「一月」は不要です。

「令和○○年 元旦」としましょう。

 

間違えやすい表現

×「A Happy New Year」

冒頭のAは不要です。「Happy New Year」を使いましょう。

 

×「去年」

「去年」忌み言葉なので、「昨年」「旧年」を使いましょう。