制作環境の色の適正化はされていますか?
お客様のデータ制作環境は、最適化されていますか?
電化製品量販店のテレビ画面は機種やメーカーによって色が違いますよね?
この例えのように、パソコンのモニターやプリンターの明るさ色味は少しずつ違います。
家で作ったデザインを会社でモニターで見たり、プリンターで印刷すると、思った以上に違うことに驚くはずです。スマホでも同じことが起こります。
ディスプレイの最適化とは
購入したままのモニタやノートパソコンは、発色が正しくないことが多々あります。また、正しく発色されていても、使っているうちにズレてきてしまいます。このズレを正しく調整することを最適化と呼びます。
ディスプレイの最適化は、デザインや印刷の仕事をしていなければ、特に気にすることはありませんが、「パソコンによって環境が違うこと」「ズレが生じることで色の見た目が変わること」は覚えておきたいですね。
色がばらつく原因は他にもあります
モニターとプリンターの色はそもそも違います。
モニターの色は輝いている色(光)を見ている一方、印刷物の色はインクの色に環境光が当たり反射した光を見ています。思い出しましたが?学校で習いましたよね! 光の三原色・インクの四原色のことです。前者をRGB(レッド・グリーン・ブルー)、後者をCMYK(シアン・マゼンダ・イエロー・ブラック)と呼び、RGBは光で、CMYKはインク色で構成されています。光の三原色では蛍光色を表現できますが、インクの四原色では蛍光色や金色銀色は表現出来ません。つまり、印刷物の色は、モニターの色とは全く異なっているということです。
実はデザインするソフトも色を保障しているもの、していないものがあります。
印刷やデザインのプロが使うデザインソフトの代表格であるadobe IllustratorやPhotoshopでは、色を管理する「カラー設定」「カラープロファイル」などのメニューで厳密に色をコントロールしています。
しかし、事務用に使われているWordや一太郎、PowerPointなどのソフトは、カラーの管理するメニューはありません。さらには、解像度を自動的に下げてしまう機能が付いています。これは、ファイルをメールで送れるように画素数を下げて保存してしているのです。
郵便はがきの下地色は、少し色が付いています。
当社でご利用いただく郵便はがき普通紙の色は、少し黄色かかっています。インクジェット用紙のほうが少しだけ白いですが、純白ではありません。そもそも真っ白な紙は存在しません(笑)。印刷業界では、"青い白"とか"赤い白"とか"黄色い白"とかざっくり言います。
このようなわけで、画面で見ている色よりも、濁った印刷になります。
つまり、お客様ご覧いただいているデザインの色味や明るさは、標準のものではないことが多いのです。
理由をまとめると、
- モニター色が最適化されていない
- プリンター色が最適化されていない
- モニターのRGB色は、インクでは表現できない色がある。
- 制作ソフトが色についての管理ができないものがある。
- 郵便はがきの白色は、少し黄色かかっています。
などが上げられ、当社印刷結果とお客様パソコン画面とは色味や明るさが異なります。
当社では、印刷業界の標準で用いられているカラー管理を導入しています
当社では、色味確認用モニターと印刷機には、ジャパンカラーという標準のセットを行い、一定の基準で色の最適化を行っています。このセットを行った装置同士であれば、色味はある程度保証されるという規格です。
お客様のお手元で確認した印刷物と画面の色が違う!どうしたら解決するのか?
そこで「印刷見本サービス」をオプションで用意しています
納品されたものの色が暗い・明るい・色が違う…。時々連絡をいただきます。「うちで見ている色と違うじゃないか!」とお怒りの連絡をもらいます。そのような方には、電気量販店のお話をしてご理解をいただいています。
しかし、理解したからと言って、納品したものが希望の色になるわけじゃないですよね。
そこで当社では、「印刷見本サービス」をオプションで提供しています。
印刷の実物で確認してもらうのが一番です。
裏技としては、最小枚数10枚でテスト注文してもらう方法もあります。
色見本サービスとの違いは、厳密な色の保証をするかしないかです。同じ印刷機で印刷するため、色の傾向・明るさの傾向は一定のバラツキ内で収まっています。
データ制作環境を整備するのは大変なコストがかかります
モニターや印刷機の最適化をするのには大変なコストと定期的な管理が必要になります。そもそも最適化できる機器は、一般に売られているものと比べると数倍から数十倍も高価なものになります。