知らなきゃ損する⁈ 著作権のはなし

著作権ってなに?

著作権

著作権とは、作品を創作した者が有する法律によって与えられる権利です。作者の思想や感情が表現された文芸・学術・美術・音楽などを著作物といい、創作した者を著作者といいます。

 

著作権制度は、著作物の正しい利用をうながし著作権を保護することで、著作物を生み出す著作者の努力に報い、日本の文化全体が発展することを目的としています。


 著作物には、小説・絵画・写真・映画など目に見え形になっているもの以外にも、音楽・振り付け・コンピュータープログラムなども著作物にあたります。

 

著作権は大きく分けて2つの権利があります。1つは著作物を通して表現されている著作者の人格を守るための「著作者人格権」、もう一つは著作権者が著作物の利用を許可してその使用料を受け取ることができる「著作権(財産権)」です。

浮世絵はフリー画像ってホント?!

著作物には著作権があり、無断で使用することは法律上許されません。必ず許可を得るか、引用のルールに則り利用するかになりますが、実は利用が許されるケースがあるのは知っていますか。

 

それは、パブリックドメインと呼ばれる「著作権が切れている」著作物です。著作権は、日本の場合、著作者の死後70年で切れ、自由に使用が可能となります。それにあたるのが、江戸時代に盛んに作られた浮世絵です。浮世絵作家として活躍した葛飾北斎や歌川広重は、とっくに亡くなっているため、彼らの浮世絵の著作権は切れていて、著作物は自由に使うことが可能です。

 

では、浮世絵なら自由に使って、何をやってもいいのかといえば、それはNOです。

 

なぜなら、それを実際に使用できるようにする作業が加わることで、二次的著作物として別途著作権が認められる場合があるのです。例えば、絵画を写真にする際にも、違ったアングルから撮影したり、光の当て方で絵画の色彩を変えるような形で撮影したものには、その写真について撮影者に著作権が発生することがあるからです。

 

また、パブリックドメインとなった作品は財産権にあたる著作権はなくなりますが、著作者人格権までは消滅しません。たとえば作者を侮辱するような悪質な改変などを行うことは禁止されています。

 

厳密に言えば著作者人格権は作者死亡によって消滅するものと考えられていますが、著作権法では作者の死後も著作者人格権を侵害するような行為は禁止されているのです。場合によっては遺族から訴えられることもあります。

 

これらのことに注意すれば、自由に使用できることのできるパブリックドメインですが、浮世絵など長い年月を通して大切に保管・管理し、それらの情報を公開するために努力されている方々がいるため、いくら著作権が切れている場合であっても、その利用には気を配る必要はあることは覚えておいた方がいいですね。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは?

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとはインターネット時代のための新しい著作権ルールで、作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません。」という意思表示をするためのツールになります。ライセンスを利用することで、作者は著作権を保持したまま作品を自由に流通させることができ、受け手はライセンス条件の範囲内で再配布やリミックスなどをすることができます。

 

作品を利用(再配布やリミックス作品の公開、実演等)するための条件は4種類あります。

 表示:作品のクレジットを表示すること

 非営利:営利目的での利用をしないこと

 改変禁止:元の作品を改変しないこと

 継承:元の作品と同じ組み合わせのCCライセンスで公開すること

 

これらの条件を組み合わせてできるCCライセンスはぜんぶで6種類あり、権利者は自分の作品をどのように流通させたいかを考え、必要に応じて適切な組み合わせのライセンスを選ぶことになります。

 

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの作品は比較的自由度の高い利用ができますが、パブリックドメインのような「著作権が存在しない」ものではないことに注意が必要です。ライセンスで許可されていない方法で利用すれば著作権侵害となります。

 

クリエイティブ・コモンズについて、詳しくはこちら

フリー〇〇に気をつけて

「フリー画像」「フリー素材」「フリーソフト」など、ネット上には様々な「フリー」が存在します。しかし、それらのほとんどは「利用規約内あればフリー」という意味です。

 

インターネットで検索すれば、簡単に画像が見つけられ、簡単に保存ができてしまいますが、そこにはそれぞれ権利が存在します。同じサイト内でも、作品によって、その権利は変わってきますので、利用規約をよく確認して、安全に使用していきましょう。